引き寄せの法則

古武術で知られる甲野善紀さんのブログを拝見させてもらっていると、日々書類の山と格闘している記述をよく目にします。


この方の本職が武術家であり瞬間的に間に合う技術を磨いているはずなのに不思議な感じを持っていましたが、なんとなく日々の気付きが原因のように思えました。


とても誠実な人柄で人様にお見せする原稿は可能なかぎり最新の気付きを反映させたものに限定しているようで、そうすると稽古を通して武術論を根本から見直す作業を日常にしている状態では、原稿の書きはじめと終わりで常にギャップが生じているはずでそういうジレンマが悩みの種としてつきまとうのでしょう。


それではよくある時間管理術を使ってみればいいとか思ってしまいますが、そもそも武術をしている理由が、「人の運命は決まっていか」を証明する手段として選んでいるので、頭で未来を想定して時間を我が物のようにコントロールするとの発想そのものが受け入れられないような気がしています。


しかし運命というのが内観でしか得られない言語化不能なものであるのに対し、文字は時空間を越えて伝えるツールであるのを考えると、未来を引き寄せないとの選択が現在に矛盾として見えているのかなと思ってしまいます。