映画 美女と野獣

ディズニーアニメは最近までなじみがありませんでしたが、ラプンツェルを見てからちょっと見方が変わりました。

この美女と野獣では、悪人がひとりも登場しないところが素晴らしいです。

根性の曲がった王子様に魔女が魔法をかけるのですが、そのときの王子様の年令は10才くらい。それで大人の対応を要求する魔女のほうがどうかしていますが、それも、実は魔女が未来を予知していて王子様を救うにはこれしかないとやむにやまれず選んだ行動なのだとしたら納得がいきます。

しかしこの魔女にしても、お城の家来にしても、なぜこうも王子様に無償の愛を捧げているのか、その忠誠心の根源は王様に向けられたもののように思えます。

その、いまは何者でもない継承者を同じように敬意を表す行為がわがままを助長したのでしょうが、それでも希望を失わせない何かが王子様にはあったのかなと。

ヨーロッパは森の文化があり、安全な村と危険な外との対比があり、外の野犬がうろつくような世界に弾き出された者からオオカミ男の伝説がまことしやかに囁かれることもあり、コミュニティーを守るために異端を追い出すことは当時としては自然な判断であったと思います。

ときかく見て面白かったです。